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家全体が暖かくなる低温輻射暖房ってなあに?

いよいよ寒波が到来し、各地で積雪が観測され始めましたね。
あなたの家ではどのような暖房を使われていますか?
本日は、少ない光熱費で家全体が暖かくなるという「低温輻射暖房」について紹介します。

【暖房機器の種類】

まずは、代表的な暖房の種類を挙げてみます。

  • ストーブ ・・・ 火を使った熱源を反射板や送風により送り出す
  • エアコン ・・・ 熱交換により温めた空気を送風により送り出す
  • オイルヒータ ・・・ オイルで熱交換を行いその熱を輻射させる
  • 床下暖房 ・・・ 床下に温水などを循環させて床から熱を放射させる
  • 低温輻射暖房 ・・・ 家の躯体に暖かい空気を循環させて家全体を温める
  • 蓄熱暖房 ・・・ 壁面のレンガ等を温めてその輻射熱で家全体を温める
  • 光冷暖(注) ・・・ 原理はオイルヒータと似ているが冷暖房に使える

(注)光冷暖は聴きなれない言葉だと思いますので、こちらの記事を参考にしてください。
体に優しい空調設備<光冷暖>ってなあに?

このように一言で暖房と言っても様々な種類があります。

どの方式がいいかについては、使う側の環境や住まいの状況によって変わってきます。
マンションなどの改装が難しい場所に低温輻射暖房や蓄熱暖房を導入するのは不可能です。床下暖房については、マンションでも利用できるようなシステムが考案されているようです。

小さい子供がいる家でストーブを使用すると、やけどや火事の原因になりかねません。
喘息気味の方がいる場合も、火気を使用する石油ストーブなどは避けたいものです。
エアコンの温風が気持ち悪いと思う方もいます。(実は私もその一人です。)
高齢者で、足下が冷えやすい方は、足もとから温まるような暖房が望ましいですね。
このような方のために、安全で足元を含めて家全体を暖かく保っていくれる暖房が、「低温輻射暖房」です。

【低温輻射暖房】

「低温輻射暖房」は、先ほどの暖房設備の中で唯一、家全体を温められます。
その他の暖房は、複数の部屋を温められても、トイレや洗面所まで温めるのは難しいようです。

構造としては、床下に暖房機(エアコン等)を設置し、家の壁面や天井の空間(躯体空間と呼ぶそうです。)に暖かい空気の流れを作り出します。
そのため、壁面内などに空気の通り道ができるような工夫を行っています。

まず、床下に設置した暖房機(エアコン等)からの温風が、壁面や天井を通って、家全体を循環します。
次に、温められた壁面や天井から輻射熱が発生し、家の中を暖かくしてくれます。
図にすると下記のようになります。

以前、ご紹介した「床下エアコン」の考え方に似ています。
ただし、低温輻射暖房は、温風を部屋に噴き出すことはせず、家の躯体空間のみを暖かい空気が巡回しているだけです。
そのため、比較的小さなエアコンでも効率よく家全体に温風の流れを作ることができます。

【低温輻射暖房の効果】

低温輻射暖房を設置した家では、リビングや寝室だけに限らず、廊下や洗面所などもすべてがほぼ同じ温度に保たれます。
つまり、家じゅうどこに行っても同じような暖かさを感じることができます。

最近、「ヒートショック現象」といって、お風呂から冷えた脱衣所に出た時の急激な温度変化により、血圧が変化し、健康障害を引き起こす事例が報告されています。
このヒートショック作用により、年間1万人以上が命を落としているというデータもあります。

低温輻射暖房を設置した家では、どこに行ってもほとんど同じ温度に保たれているため、このようなヒートショック現象が発生することはありません。

ただし、壁面からの輻射熱となるので、温風が出るわけでもなく、室内の温度も20℃前後になっているため、通常の暖房のような温かさはありません。
実際に住んだ人の感想によると、春先に気温が徐々に暖かくなって、心地よい温かさがやってきたような感じだそうです。
この暖かさを真冬に感じることができるというわけです。

通常の暖房は、暖かい空気の流れによって部屋の中を暖かくします。
そのため、前回の記事で書いたようなコールドドラフトといった現象が発生したりします。
しかし、壁や床、天井そのものが暖かくなって、その輻射熱で感じられる暖かさは、体に優しく、本当に気持ちがいいようです。また、部屋に置いてある家具なども冷たくないのが心地よいとのことです。

この心地よさは、実際に住んだ人間でないとうまく説明できないようです。

低温輻射暖房は、基本的に24時間稼働が条件となりますが、一定以上の温度になるとエアコン等の動作が自動的に停止するため、光熱費はそれほど高くはならないようです。

実際に住んでいる人の情報が知りたい場合は、下記の本が参考になります。

本質を暮らす贅沢な家 田中 慶明 (著), 若林 礼子 (著)

この本では、実際に低温輻射暖房を導入した家に住んでいる著者(夫婦)が、1年間の外気温と内気温のデータを測定した結果が掲載されています。
この資料によると、外気温が氷点下になる真冬でも屋内の各部屋は、20℃前後(最低17.2℃)に保たれていることが分かります。
低温輻射暖房の貴重な資料と言えるでしょう。
この家に設置されているのは、次に紹介する「かくれん房」という商品です。

【どこに頼めばよいのか】

低温輻射暖房の工事を行っている会社は、まだ少ないようです。
その中で、「エアサイクルハウジング」という会社が、「かくれん房」という名前で低温輻射暖房の家作りを行っているようです。

「家全体が暖かいのに暖房器具が目に見えるところにない。」ということで「かくれん房」という名前を付けらたようです。

詳細は下記のホームページをご覧ください。

PACオリジナル暖房 かくれん房

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