屋根裏エアコンの考え方
先日は、1台のエアコンで部屋全体を温める床下エアコンについて説明しましたが、暖かい空気は下から上に流れるので、床下から温めるのは正解です。しかし、冷たい空気はどんどん下へ流れるため、床下エアコンを冷房に使うことはできません。
【屋根裏エアコン】
そこで、考えられたのが、屋根裏エアコンです。
これは、屋根裏にエアコンを一台だけ置いて、冷風が各部屋に送られるようにすることで、1台のエアコンで家全体を冷やそうという試みです。
イメージ図は、下記のようになります。
この屋根裏エアコンと床下エアコンの両方を使い、夏は屋根裏エアコン、冬は床下エアコンと使い分けることで、2台のエアコンだけで、部屋全体の空調を行うことができます。
こちらも床下エアコンと同じようにセンサーが屋根裏の温度でなく、2階より下の温度を監視するように工夫する必要があります。
【24時間運転】
床下エアコンのときも同じですが、快適に空調を行うためには、長時間エアコンを運転する必要があります。
そのため、エアコンを数時間に限定して各部屋で使う場合と屋根裏エアコンの費用対効果を十分に吟味して導入する必要があります。
ただし、屋根裏エアコンを使用する場合は、設定温度を比較的高めに設定するため、全体的な電気代として、大きく上がるわけではないようです。
【屋根裏エアコンのメリットとデメリット】
●メリット
・最小限のエアコン数で部屋全体を空調することができる。
・家族が多く在宅時間が長いときに便利
・家全体が涼しいため、過ごしやすい。
●デメリット
・部屋ごとの温度設定ができない。
・家族が留守がちの場合、留守の部屋も空調されるため、効率が悪い。
・電気代がやや高め(1ヶ月で2万円前後:標準的な2階建ての場合)
・空気の流れを十分に計算する必要があるため、設計が難しい。
【その他の注意事項】
屋根裏エアコンを設置する場合に十分に注意しないといけないのが、断熱です。
特に屋根裏は夏に屋根が高温になるため、温度が上がりやすくなっています。
同じ設定温度でも、断熱効果が低い家では、エアコンの効率が大幅に異なり、結果的に設置コストが高くなってしまいます。
まず、リフォームで屋根裏の断熱をしっかりと行い、真夏でも屋根裏のエアコン室の温度が十分低くなるよう設計する必要があります。
実質的に同じ家族でも、体感気温を一緒にすることが難しいため、部屋ごとの温度設定ができないエアコンは、家族の同意が得られにくいものとなるでしょう。
関連記事
-
-
外壁は3回塗りが基本です
ご存知とは思いますが、塗料は一回塗りではダメです。 女性のお化粧と同じように下地をしっかりと塗ってお
-
-
自己資金なしでリフォームを決断
リフォームは、お金がないからできない 私はずっとそう思っていました。でも、それは違っていたのです。
-
-
トイレのリフォーム時は、便器の色に注意しましょう!
水回りのリフォームの中でも特に注意したいのがトイレのリフォームです。 【便器がかわいいトイレ】 トイ
-
-
リフォームに関するQ&A
本日は、リフォームに関してのQ&Aをまとめてみたいと思います。 基本的に、我が家でのリフォー
-
-
耐久性の高いガルバリウム鋼板の外壁という選択肢について
リフォームの見積を数社から取るといろいろな情報がもらえます。 そんな中で、次のリフォームまでの期間
-
-
断熱材で外気温をシャットダウン<リフォームで夏は涼しく、冬暖かく>
寒冷地では、断熱材を壁や天井に入れて外気温が家の中に入るのを防ぎますが、これは冷房にも効果があります
-
-
自宅待機中の今だからこそ家の中を点検してみよう!
家にいる今だからできることがある コロナウィルスの影響で、家にいる時間が長くなっていることと
-
-
体に優しい空調設備<光冷暖>ってなあに?
【体に優しい冷暖房】 エアコンの風にあたっていると最初は涼しいのですが、しばらくすると体が冷えて不快
-
-
リフォームでシェルター設置<アメリカは核シェルター、日本は防災シェルター>
【北の脅威】 北朝鮮の怪しい動きに対抗するようなアメリカの動き、気になっている方は少なからずあ
-
-
「神様が宿る家」造り<1>
「神様が宿る家」という本をご存知ですか? この本は、自然素材を活かした家造りを行うことで、人が快適