体に優しい空調設備<光冷暖>ってなあに?
【体に優しい冷暖房】
エアコンの風にあたっていると最初は涼しいのですが、しばらくすると体が冷えて不快感を感じることがあります。
暖房時も生暖かい風が吹き付け続けると段々と不快感を感じるようになります。
また、赤ちゃんがいる家庭などでは、エアコンの風によって舞い上がるホコリなどを赤ちゃんが吸い込んでしまわないかと心配になります。
これは、ずべて冷暖房のために風を吹き付けるエアコンの構造に由来しているため回避ができません。
そこで、冷風雨や温風を伴わない冷暖房設備が考えられました。
それが、光冷暖という設備です。
光冷暖は光をうまく使って空調を行うため、空気を汚すことなく部屋の温度を調整することができます。
また、ファンなどを回すわけではないので非常に静かです。
このシステムに近くて古くから知られているものにオイルヒーターがあります。
オイルヒーターはヨーロッパなどで寒い冬を過ごすために考えられた暖房設備で、ラジエーターに相当するフィンに温かいオイルを循環させ、その熱を壁面が反射して部屋全体を温める仕組みになっています。
この原理を最大限利用して冷暖房に使えるようにしたものが光冷暖と言えます。
オイルヒーターも空気を汚さず、暖房を行うので、環境や体に優しい暖房設備として有名です。
【光冷暖システム】
光冷暖という空調設備について
これは、部屋の一角にラジエーターと呼ばれるセラミックコーティングされたパイプの中に温水や冷水を流す構造になっています。
このラジエーターの表面と天井や壁が共鳴して冷房や暖房を行う設備のことを言います。
冬は、ラジエーターに温水を流し、遠赤外線が壁面に乱反射して家全体を温めます。
夏は、ラジエーターに冷水を流すことで人体などの熱を吸収し、家全体の温度を下げます。
光冷暖の設備は、このラジエーターと熱交換をしてラジエーターに温水や冷水を送り込むための室外機からなります。
さらに天井や壁面にはセラミックコーティングを施す必要があります。、
また、温度調整や設備の制御を行うリモコンも付属しています。
【設置例】
光冷暖システムを実際に部屋に設置したイメージ図をがこちらです。
ラジエーターを家の中央付近に水色で書き加えました。
実際のラジエーターの色は、白色や茶色ですが、今回は冷房時をイメージして水色で描いてみました。
この1枚のラジエーターが家の各壁面に貼ったセラミックパネルと共鳴することで夏は涼しく冬は温かい冷暖房を実現します。
同じように冬をイメージして、ラジエーターをピンク色にした図がこちらです。
実際にラジエーターを置く場所は、家の間取りに合わせて調整する必要があります。
注意しないといけないのは、このシステムは、壁面の反射も利用して温度調整を行うために、壁面を本棚や収納でふさぐことができないことです。
また、大きな窓も空調効果を下げてしまうので注意が必要です。
【光冷暖の原理】
以前もご紹介しましたが、人間の体感温度は、空気の温度と壁面の温度の平均値となります。
そのため、空気の温度が高めでも壁面の温度が低いと比較的涼しく感じられます。
たまに冷房の効かない部屋に大きな氷の塊を置くと部屋が少し涼しくなりますが、これも空気の温度が変わっていないけれど、氷の塊が熱を吸収してくれるため体感温度が下がったことが原因です。
そこで、光冷暖では、冬はラジエーターの熱を壁面で反射させて暖かくし、夏はラジエーターを冷やすことで、部屋の暖気を吸収させて温度を下げます。
【快適度はどれぐらい?】
設定温度はリモコンである程度調整できますが、基本的に夏は28℃、冬は20℃となっているようです。
しかし、実際の体感温度は、夏も冬も約24℃になるとのことです。
これは、実際の空気の温度と体感温度には差があるために発生します。
私の知り合いで実際に光冷暖を導入した方がいますが、そのかたのお話では鍾乳洞の中にいるような感覚だそうです。
鍾乳洞と言えば夏に入ると壁が冷たくなっていてひんやりした感じますが、
これと同じようなものと思えばいいようです。
【コストはどれぐらい?】
私の知り合いが導入した時は、新築に合わせて導入したようですが、光冷暖の部分だけで約200万円かかったようです。
空調設備としてはかなり高い方だと思います。
当然、この設備以外にエアコンは不要ですので、エアコン数台分を1台にまとめたと思えばいいでしょうが、それでもやや高めですね。
しかし、電気代は24時間稼働でも、一ヶ月あたり8千円ぐらいとのことです。
これは、夏に冷房をガンガンに聞かせた場合を考えるとあきらかに安いです。
実際、1時間あたりの電気代はエアコンの約2分の一だと書いてあります。
だったら、エアコンを12時間つけた時と、光冷暖を24時間つけた時は同じ電気代になるではないかと聞いてみましたが、実際にはエアコンでも28℃設定にすると電気代がかなり安くなるように光冷暖でも非常にゆるい冷暖房を行っている状態なので、それほど電気代が跳ね上がるわけではないようです。
【安全性は大丈夫】
部屋の片隅に大きなラジエーターを起きますが、この中を流れる温水や冷水は手で触ってもちょっと暖かい、またはちょっと冷たいぐらいなので、赤ちゃんが間違って触ってもやけどや凍傷になることはありません。
強いて言えば、ラジエーターに子供がぶつかってケガをしたり、機器を破損したりしないように何か防護柵ぐらいは置いたほうがいいかもしれません。
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