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リフォームでシックハウス症候群を改善できる?

【シックハウス症候群】

家を新築し、新しい生活が始まると何もかもがきれいで気持ちが良いはずなのに、目がチカチカしたり、原因不明の頭痛に悩まされたりすることがあります。
また、新築でなくても中古の住宅を買って住んだ場合でも同じような症状が発生することがあります。
このような症状を一般的に「シックハウス症候群」と言います。

例えば、自分大丈夫でも、後から済むことになった家族や子供がシックハウス症候群に悩まされることもあります。これらの原因と対策について考えてみたいと思います。

【シックハウス症候群の原因】

建材や家具などに下記のような薬品が含まれているとシックハウス症候群の原因になります。

  • ホルムアルデヒト
  • トルエン
  • キシレン
  • アセトアルデヒト
  • クロルピリホス (坊蟻剤)
  • その他の揮発有機性化合物

これらは、建材の防腐剤や接着剤に含まれていることが多く、気温が高くなると揮発してガスとなり、家の中に充満してきます。そのため、冬に建てたときは特に体調に変化がなくても、夏になって暑くなることで、症状が発生する場合があります。

上記の他にカビやダニなどにより、シックハウス症候群になる場合もあります。

【シックハウス症候群の症状】

厚生労働省発表の「室内空気質健康影響研究会報告書:
~シックハウス症候群に関する医学的知見の整理~」(H16.2.27)によると

シックハウス症候群は医学的に確立した単一の疾病というより、「居住者の健康を維持するという観点から問題のある住宅において見られる健康障害の総称」とのことです。
具体的な症状は下記のように定義されています。

(1)皮膚や眼、咽頭、気道などの皮膚・粘膜刺激症状
(2)全身倦怠感、めまい、頭痛・頭重などの不定愁訴

ここで、「不定愁訴」という普段聞き慣れない言葉が登場しますが、「明確な原因がないのに、肩こり・目まい・腰痛など体の不調を訴えること。」ということです。
つまり、シックハウス症候群は一般的な病気とはちょっと違う解釈のようです。

なんとなく倦怠感を感じたり、集中力がなくなったりするのもシックハウス症候群かもしれないのです。

【シックハウス症候群への対策】

まずは、換気を良くする。冬場は難しいかもしれませんが、とにかく換気を良くして外気を家の中に取り入れるようにするのが、一番お金がかからずにできる対策です。
そして、それ以外の対策方法は下記のようになります。

シックハウス症候群と疑われる症状が発生したら、まず医師に相談し、本当にシックハウス症候群なのかどうかを確認します。上記のように原因不明で発生するのがシックハウス症候群ですが、原因があって発生している場合は、いわゆる病気です。シックハウス症候群と似たような症状が現れる病気として「化学物質過敏症」があります。
この場合だと、家をリフォームするだけでは改善できない場合があります。そのため、現在の症状とその原因をなるべくはっきりさせて、その原因となるものを取り除くという対策を行いましょう。

特にリフォームで内壁や外壁の張替えを行う場合に上記のような化学物質を含む接着剤や壁材を使用しないように業者としっかりと打合せをする必要があります。ホルムアルデヒトやアスベストなど法律で使用が禁じられているものは、新規に使う恐れはありませんが、使用禁止になっていない化学物質でも人によっては影響を受けてしまいます。その点を踏まえずに建材や家具を買い替えたり、リフォームを行っても、全く意味がないことになります。

結果的に対策方法は下記となります。

●定期的に換気を行って家の中に外気を取り込む
●原因となっている物質を出来る限り特定し、その物質を除去する対策または工事を行う

やみくもに自然素材だけを使ってリフォームするだけでは、改善せず、住んでいる場所を変えない限り、改善できない症状もあるのです。

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